なぜウィンブルドンの観戦にはおしゃれして行くのか?
──2025年のスタイル実例とともに読み解く「伝統と装いの関係」
ウィンブルドン観戦で「おしゃれして行く」ことは、単なるドレスアップではありません。それは、イギリスの伝統、社交文化、そして個人の美意識を示す静かな礼儀。
2025年大会では、印象的な初夏スタイルをまとったセレブたちが話題を呼びました。その背景とともに、今年の象徴的なコーディネートをご紹介します。
1. 伝統への敬意としての装い
ウィンブルドンは1877年に始まった、世界最古のテニストーナメント。イギリス王室や上流階級の人々と深く関わるこの大会には、自然と品格ある装いが求められます。
「見られる」ことを意識したファッションは、スポーツイベントでありながら、まるで英国式のガーデンパーティーのようなムードを演出しています。
2. 今年の象徴:ブレザー(ダブルブレスト)
ウィリアム皇太子のネイビーブレザー・スタイル
2025年大会で最も話題を集めた装いのひとつが、ウィリアム皇太子によるネイビーのダブルブレスト・ブレザーでした。
皇太子妃キャサリン妃のロイヤルブルードレスとリンクコーデした、明るめブルーのファブリックに、メタルボタンが輝く正統派のブレザーに、爽やかな白のトラウザーズを合わせた、まさにブリティッシュサマースタイルの王道。
ノータイながら上品さを失わないその着こなしは、カジュアル化が進む中でも、品格と爽快感を両立した装いとして多くの観客の印象に残りました。
ヘンリー・カヴィル:紳士の“夏らしさ”を極めたサマーブレザー
もう一人、話題をさらったのが俳優ヘンリー・カヴィル。
彼もまた、ネイビーのダブルブレストブレザーに白のパンツというクラシックな組み合わせながら、パナマハットを合わせることで、初夏を感じさせつつ品格を共存させた装いに。
胸元のネイビードット柄ポケットチーフや、肉体美を生かしフィット感ある仕立ても相まって、まさに“夏の英国紳士”の完成形。
3. 今年の象徴:トーンオントーンで優しさと洗練を纏う
アンドリュー・ガーフィールド — 白を基調に軽やかなリゾート感
オールホワイトのリネンシャツ+ハイウエストパンツに加え、肩にかけた白いケーブルニットを斜めにかけたスタイルは、まるでイタリアの避暑地から来たかのようなエレガンス。足元はカーフスエードのモンクストラップで落ち着きを演出。全体に「洗練されたリラックス感」が漂う装いでした 。このコーディネートは、伝統を守りつつ“地中海のリゾートの余韻”を加えた、まさに“大人の夏の遊び心”が詰まった着こなしです。
クーパー・コーチ — クリーミートーンでまとめた軽やかさと上品さ
クリーム色ダブルブレストスーツを、トレンド感あふれるトーン・オン・トーンで。生地は軽量で薄手、夏の暑さにも対応。カラーも肌馴染みが良く、“リラックスしつつもきちんと見える”絶妙な温度感を実現しています 。足元までスエードのタッセルローファーで同色系。
Cooperのスタイルは「クリーンでありながら筋の通ったこなれ感」があり、品格もトレンドも外さずに完璧にまとめた秀逸なトーン・オン・トーンです。
4. 社交の場としての意味合い
ウィンブルドンは、観戦以上に社交の舞台としての性格も強く、政財界、ファッション業界の著名人たちが集まります。
そのため、自身の品格を示すためにも「TPOにふさわしい」ファッションが求められるのです。
5. 明文化されない“品格ルール”
センターコートのロイヤルボックスなど一部の席では、男性はジャケットとネクタイ着用が暗黙のドレスコード。
ただし近年は、ノータイやカラーシャツで“抜け感”を加える例も増えており、クラシック×現代的センスのバランスが鍵となっています。
美意識・社交文化を楽しむ
ウィンブルドン観戦は、ただのテニス観戦ではありません。
それは「英国式のサマーフォーマル文化」を体現する空間であり、そこに身を置く観客自身もまた、風景の一部。
ロイヤルアスコット(競馬)やハンプトン・コート・ガーデンフェスティバルと並ぶ、イギリスの「夏の社交行事」の一つです。
これらのイベントでは、“その場にふさわしいスタイル”が求められます。ウィンブルドンは単なるスポーツ観戦ではなく、英国の伝統・美意識・社交文化が交差する場所。
だからこそ観客は、おしゃれすることでその場の空気に敬意を払い、自らも一つの“風景の一部”となるのです。
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