6月4日はスリーピースの会でした。
スリーピースといえば、スーツの王道にして最高位。フォーマルでも多様される正統派中の正統ですから、男たるもの一着は持っていたいものです
そもそもスーツは貴族の執務着で云々、という今更かもしれないので割愛。ジャケット、パンツとベストを揃えてVESTAさんにやってきました。
こちらはお馴染みのT様。襟付きベストを合わせるグレーのスリーピースは、ほんのり光沢感ある生地で、式典にも着られそうなほどエレガント。今日はネクタイもグレー×ブラックのストライプで、フォーマル気分を醸されています。
よく話題になるのですが、スリーピースのベストのボタンは、大抵の場合、一番下が留まらないように出来ています。知らずにボタンを留めると、裾が詰まったへんてこなシルエットになってしまうのでご注意ください。ちなみに、上ボタンが留まらないタイプのスリーピースもありますよ。
T様、いつもはApple Watchなのですが、この日は懐中時計をされていました。それというのもスリーピースのせい。ベストのボタンホールの並びに、縦のホールが空いていることをご存知でしょうか。ここは懐中時計のチェーン(アルバートチェーンといいます)を通す専用の穴なんです。
いまでは形骸化して、このホールを空けないベストのスリーピースも少なくないのですが、クラシックを知るテーラーなら、きちんとボタンホールを空けてくれるんですね。もちろんこのスリーピース、VESTAさんで仕立てたものですよ。
ちなみに、T様のアイコンといえば、このお洒落な靴下。お茶目な靴下に凝るのはカナダのトルドー首相かT様かと言われるぐらいですので、この日も謎柄の靴下をお召になられていました。
仲睦まじく、お二人でお越しいただいたF様ご夫妻。「スリーピースじゃなくてごめんなさい」とF様。いやいや、これも立派なスリーピースですよ。
「スリーピーススーツ」といえばジャケット、パンツ、ベストが共地ですが、ジャケット、パンツ、ベストの3アイテムを着ている時点で、スリーピースと言っていいのです。
テーラード原理主義みたいな硬いこといわず、光GENJIみたいなGジャン、ジーンズのデニムシャツでもスリーピースの会は大歓迎です。
ウィンドウペーンのスーツに、グレーのオッドベストを合わせていらっしゃいました。スーツはドーメルのサマーアマデウス。シルク×ウールのエレガントな雰囲気が漂います。
Vゾーンの合わせ方も素敵ですね。ギンガムチェックのシャツに爽やかなブルーのタイ。これならベストはライトグレーで、合わせたほうがVゾーンんい清涼感が増すというものです。
ちなみにこの日、F様はVESTAで仕立てたサマーカシミヤのジャケットを引き取られていかれました。いやぁ、このカシミヤ生地、ヘリンボーン織りになっていてじつに美しい。肩をマニカカミーチャに仕立てたことで、生地のやわらかさがよ~く伝わってきます。
VESTAのイベントは、WEB参加も可能です。秋田から、S様にご参加いただきました。カノニコのポーラーを使ったダブルペーンのスリーピースは、いかにも重厚感たっぷりですが、御覧くださいこのペイズリータイを。いやぁ貫禄ありまくりです。
S様、ご職業は先生とのこと。こんな迫力のスリーピースで教壇に立たれたら、居眠りなんて出来ませんね、と話したら「授業中はチョークの粉で汚れたりするので、こんな上等なスーツは着ていきません!」とのこと。なるほど(笑)。
入卒式や終業式に始業式など、先生ってスーツを着る機会、結構あって、しかも式典出席が毎シーズン、毎年ですからね。良いスーツは必需品ですね。私の高校の校長先生も、スーツが大好きで、私がファッションエディターなんて仕事をしてることを知っていて、ときどき相談されることもありました。
スリーピースの会は、スタッフもMさんも参加して、VESTA店内で楽しく談笑。バルバレスコのワインをいただきながら途中、私が「スリーピースをカジュアルに着る10の方法」をレクチャーさせていただきました。みなさんスーツ大好きなので、普段、あまり深く離せないすスーツオタクな洋服談義に花が咲きました。
その後は銀座のイタリアンレストンへレッツゴー!
レストランからご参加いただいたI様は、つい先日、VESTAでケープをお仕立てになられたばかり。ゼニアのトロフェオカシミアが織りなす、美しいドレープはお見事! いかにも上質なことが伝わってきますね。
以前は省エネとか言ってましたが、最近では熱中症対策のほうが大事とのことで冷房が利きすぎた店内もよくあります。そんなときに、ふわりと纏えばとっても優雅な気分ですよね。
さて、最後にお料理の写真をご紹介しようと思ったら、私またやってしまいました…。はい、メインのローストポークを撮り忘れました。途中、T様から「写真、撮り忘れてない?」と注意いただいたいも関わらず、メインを落とすとは…。
普段、料理の写真を撮る習慣がないのと、寺門ジモンさんが「料理の写真撮ってる間に冷めちまうだろ! 熱いうちに食え!」という言葉を信じて、という言い訳をさせていただいて、今回の結びの言葉とさせていただければ。
次回こそ!