ボタンのない襟元が清涼感のポイントに
年齢を重ねると、Tシャツが似合わなくなってくるものです。似合わないというか、肌の露出が多い男の服は大人を貧相に見せるように思います。襟付きシャツのほうが年齢が出やすい首元が隠せるし、品格もあるので大人の外出着としては、半袖シャツやポロシャツのほうがしっくりくるのです。筆者も例外ではなく、外出時はポロシャツまたは長袖シャツを、袖まくりして羽織るスタイルに着替えるようにしています。
しかし、このポロシャツ姿、意外と鬼門でもあるのです。なぜならゴルフオヤジの域を脱することが非常に難しいから。常日頃ポロシャツを着ている人ならともかく、長いことスーツにワイシャツ、ネクタイ姿で、休日ゴルフのときにだけポロシャツを着ることに慣れてきた大人が、急に普段着にポロシャツをお洒落に着こなすことが、いかに難しいかは想像に難くないのです。とくにスラックスとポロシャツの組み合わせは危険すぎ。裾をズボンに入れてベルトをしたらアウトでしょう。貴殿のそのポロシャツスタイル、ゴルフのときと同じじゃありませんか?
そこでポロシャツではなくスキッパー(写真)という選択肢だ。スキッパーとは、ポロシャツのような襟付きの半袖ニットだが、前立てにボタンがなく、数センチほどの合わせがあるだけで胸元がほんの少しはだけるトップスのこと。衿があるので品良く見えるうえに、襟元がすっきりと切れ上がって見栄えは颯爽としていて清涼感も感じさせる。日焼けした肌にはもちろんだが、なぜだかボート由来ではないにのボート競技が大学レガッタのイメージにつながるからか知的な印象も漂い、色白のインテリ貴族的な見え方もするので紳士的でもある。首元にさりげなくネックレスを付けていると、これが前立ての間からチラ見えして、なかなかに洒落てもみえる。
その名の通り、ボートのスキッパー(操縦者)が着るユニフォームとも言われるが、元ボート選手に聞いたら、「そんなユニフォームは見たこと無い」と一笑に付された。出自はともかく、ボタンがないだけで見え方は大きく変わる。ポロシャツと違い、裾丈はリブでズボンに入れないデザインなので間違えることはない。